カテゴリー: 言語学
言語表現の過程的構造について(1)
前回の記事を書いてからだいぶ間が空いてしまった。 忙しくて記事を書くための時間が取れなかったというのもあるが、それよりも大きな理由は、次に扱う予定だったテーマが予想以上に大きくて、文章がなかなかまとまらなかったからだ。 […]
言語表現の過程的構造について(2)
前回は、去年出版された文学入門書『詩のトリセツ』(小林真大著、五月書房、2021年)を取り上げ、それが言語の表現過程を無視した形式主義的な言語観に基づいていることを指摘した。この本が文芸批評理論の基礎として用いていたのは […]
言語表現の過程的構造について(3)
前回はソシュール言語学の概略について紹介した。 ところで、前回も指摘したように、パロールの回路に関するソシュールの説明は、彼のラング説と矛盾している。この矛盾をどう理解したらよいかについて、『言語過程説の研究』(リーベル […]
言語表現の過程的構造について(4)
前回と前々回はソシュール言語学の概要とその問題点について述べた。今回はこの言語学の問題点を克服するものとして提出された言語学説について紹介したい。 ソシュール言語学に対する批判から生まれた言語学説の一つに「言語過程説」と […]
言語表現の過程的構造について(5)
前回は時枝誠記の「言語過程説」とソシュール学説との主な相違点を紹介した。彼の「言語過程説」は部分的にはソシュール学説の問題点を解決することに成功しているものの、残念ながらあらゆる点でソシュール学説より優れているというわけ […]