このサイトについて

このサイトはどういうサイトですか?

私、山川兵庫(ペンネーム)が、文学の科学的な研究は可能かを研究テーマに日頃考えたり調べたりしたことを書いていくサイトです。普段はサラリーマンをしており、文学研究は趣味でやっています。

あなたは本職の研究者ではないのですか?

はい。私は普段研究とは全然関係ない仕事をしています。休日の間だけ文学研究をしている自称「研究者」です。

「文学の科学的な研究」と言われましたが、どうして文学を科学的に研究したいのですか?そもそも文学を科学的に研究する必要があるのでしょうか?

私の研究の動機は単純で、自然科学や社会科学における研究手法を文学研究に適用したらどうなるか、確かめてみたいのです。
「科学」という学問が近世ヨーロッパで成立して以来、自然や社会を対象とした学問は目覚ましい発展を遂げ、新たな事実を次々と発見していきました。では、自然科学や社会科学で採用されている研究手法を文学研究に取り入れることはできないのでしょうか?もしこの研究手法の導入によって文学研究がさらなる発展を遂げるとすれば、これはぜひとも取り入れなければなりません。

一方で、もし科学的研究手法が文学研究には適用できないとすれば、私はその理由をきちんと解明したいと考えています。自然や人間の社会を対象とした学問には科学的な研究が適用できるのに、文学を対象とした学問にはそれができないのだとしたら、それは私には奇妙に思われます。科学が適用できるかどうかはその研究対象によって決まるのでしょうか?

文学を科学的に研究しようと言い出したのは、私が初めてではありません。
実はあの夏目漱石が次のように言っているのです。

なるほど花は科学じゃない、しかし植物学は科学である。鳥は科学じゃない、しかし動物学は科学である。文学は固より科学じゃない、しかし文学の批評または歴史は科学である。少くとも一部分は科学的にやらなければならぬ。出来るか出来ぬかは勿論別問題である。[1] 夏目漱石『文学評論 (上)』(岩波文庫、1985年) P.31

「文学は科学じゃないから、科学的に文学を研究などできるものか」という声は昔からありましたが、それに対して漱石はこのように言い返しているのです。文学研究とは文学の批評や歴史の研究にほかなりませんから、夏目漱石は文学の科学的な研究を目指した日本の先駆者といっていいかもしれません。

今から百年以上も前に漱石がこう言っているのですから、文学の科学的な研究とは私一人の問題ではなく、文学研究者一般に普遍的な問題だと言えそうです。それならば自分もこの問題に取り組んでみようと私は考えたのです。

「科学」とはどういうものなのかはっきりしないと、「文学」を「科学的」に研究できるかどうか判断ができません。あなたの言う「科学的」とはどういう意味でしょうか?

たしかに、科学とはなにかを明らかにしないと文学を「科学的」に研究できるかどうかはっきりしない、というのはもっともなご意見です。
科学とはどういうものかは、過去の科学研究の発展の歴史すなわち科学史を振り返ることによって初めて明らかになるでしょう。新たな事実を次々と発見することを可能にした科学的手法の特徴は、科学史の中に隠されているからです。
これに関しては後ほどまとまった文章を書きたいと思います。

あなたが興味を持っている分野はなんですか?

私のメインの研究テーマは日本文学ですが、文学と関わりがある分野であれば幅広く研究するのが私のモットーです。
例えば、言語学、記号学、芸術理論、メディア論、認識論などにも関心があります。
認識論が文学と関係があるというのはちょっとびっくりするかもしれませんが、実は重要なつながりがあるのです。
この点については、後ほどまとまった文章を書いて説明したいと考えています。

サイトのタイトルの意味は?

cornerstone(コーナーストーン)とは、建物の土台となる石を意味する英語で、これから派生して「基礎」とか「第一歩」という意味もあります。
ですから「My Cornerstone」とは「私の第一歩」ぐらいの意味になります。

2021/4/11 追記
タイトルを「Cornerstone」に変更しました。

このサイトを私の「研究」の最初の一歩としたいという意味を込めてつけました。

References

References
1 夏目漱石『文学評論 (上)』(岩波文庫、1985年) P.31